小さな組織の「情報機動力」戦略!

中小企業の情報機動力を高める最新ITの活用事例などを発信します。

2-5.戦略に応じて情報媒体やツールを選択する

このブログ「小さな組織の情報機動力戦略!」は、中小企業の経営者の方々を
対象としています。

 

iPadクラウドなどの最新のIT を、

「本気でビジネスモードで使いたい」と考えている方々に対して、

必ず役に立つ重要な情報を発信します。 

 

今回は、マーケティング活動の視点から、

他社との差別化戦略を実践するための情報活用のポイントを

解説してみたいと思います。

 

電通が開発したAISASと呼ばれる消費者購買モデルを使って、

各々のプロセスでのIT活用の留意点を考察します。

 

AISASによる消費者購買モデルの各プロセスと、

その意味はは以下の通りです。パン屋さんの例でお話ししましょう。

 

・A(=Atention:注意歓喜)

例えば広告などの媒体やクチコミなどに触発されて、

商品やサービス(の存在)に気付くプロセスです。

(新しいパン屋さんの例⇒「あ、新しいパン屋さんができてる」)

 

・I(=Interest:関心)

気付いた商品やサービスに興味や関心を向け、情報収集への動機付けを

行うプロセスです。

(「どんなパンがあるんだろう」)

 

・S(=Search:情報収集)

具体的な商品のアイテムを絞り込んで、購入のための意思決定をする

プロセスです。

(「商品の特徴は?いくらくらい?よし、買おう!」)

 

・A(=Action:購入)

実際に商品を購入する手続きをするプロセスです。

(「これ、ください!」)

 

・S(=Share:共有)

購入した商品を使ってみた感想や批評を、周囲に知らせるプロセスです。

(「おすすめのパンがあるから紹介するね!」)

 

 

今回のテーマについては、僕が取り組んでいる真っ最中の仮説なので、

こうすれば上手く行くという結論ではありませんが、

読者の皆さんの商品やサービスやビジネスの業態などで、

もし類似したものがあれば参考にしてください。

 

1.商品やサービスの特性と情報メディアの活用法

 

最初に、商品やサービスの持つ特性で、

情報の活用の仕方を変えるべきだというお話をします。 

 

1)既存の商品・サービス

具体的な形状などが明確で、存在が広く認知されている

商品・サービスなどについては、

情報の露出や反復発信などによる単純接触効果が顕著です。

 

商品の特徴や良さ、購入者のメリットを知ってもらえばもらうほど、

受注や成約の確率が上がります。

 

従って、このような商材でのマーケティングでは、

ECサイトなどのインターネット媒体を駆使して情報を発信し、

利用者とのコミュニケーションを計ることが成果につながります。

 

具体的な情報媒体としては、

 

ECサイトPPC広告、ランディングページ、ブログ、Facebook

YouTubeなど様々なものが利用できますが、

 

大切な事は、AISASの流れに沿って、

Atention (注意喚起)からShare(共有)まで、

 

ある媒体から別の媒体へ誘導し、

最終的には契約をさせるためのホームページ(ランディングページ)などで

成約させるように情報メディアの利用の流れを設計することです。

 

AISASの各々のプロセスに最適な情報メディアを選択することが

非常に重要な作業になります。 

 

2)新たな商品やサービス、無形のサービス

これまでになかった新しい商品やサービス、また無形のサービスなど、

消費者から見て商材の価値がイメージし難いものについては、

様子が全く異なります。

 

利用者から見た商材の価値の認知度が低いので、

ネット媒体で情報を露出することによる動機付けの効果は

かなり限定的だと考えるべきでしょう。

 

このような商材の場合は、ネットで情報を露出させるよりも、

リアルの説明会やデモやセミナーなどで、

売り手やサービス提供者の魅力を直接的にアピールしたり、

信用をつくるための工夫をする方が効果的です。 

 

もちろん情報媒体などのツールも使いますが、

面対によるリアルのコミュニケーションを基本にして、

対話のインパクトをより強めるために情報ツールを使用する

という考え方に立つ方が効果が上がると思います。

 

例えば、ペーパレス会議やWeb会議、動画などは、

このような面体でのコミュニケーションの効率を

大幅に高めるために非常に有効なツールです。

 

2.プロセスごとに活用したい情報媒体

 

ここからは、AISASの各プロセスで活用したい情報メディアについて

僕が基本にしている考え方を解説します。

 

1)Atention(注意喚起)

商品やサービスの「存在を認知させる」のに最適な手段を用います。

 

商品価値が認知されている商品やサービスの場合は、

Facebook広告やGoogleAdwordsのようなPPC広告を活用する方法が

あります。 

 

例えば、facebook広告では、対象者の地域や年齢などの属性を

細かく指定することができます。

 

また、PPC広告は、クリックの実績に応じて課金される仕組みなので、

予算に合わせた広告戦略を取ることができます。

 

一方、商品価値が十分に認識されていない商品やサービスの場合は、

不特定多数を対象としたネット広告の効果は期待できないので、

「人の信用力」を通じて認知をしてもらう必要があります。

 

そのための手段としては、

YouTubeでのビデオブログを活用したプロモーションを行ったり、

紹介者のクチコミ、紹介セミナーなど、

人の顔が見えるアナログな活動が必要です。

 

そのため、面対の場ですぐに露出できる、

チラシやパンフレット、プロモーションDVDなどの情報媒体を活用します。

 

2)Interest(関心)

商品やサービスの詳細な情報を届けるための手段に誘導するプロセスです。 

 

AtentionのプロセスからInterestへの誘導を行うための仕組みを

作り込みます。

 

例えば、広告なら、クリックすると目的のホームページに誘導できる

仕組みにしておきます。

 

面対で見てもらうチラシやパンフレットには、商品紹介のホームページ

のアドレスを記載するなど。

 

YouTubeの場合は、動画編集のアノテーションの機能を使って、

パートナーページへリンクを貼って誘導するなどの方法があります。

 

いずれせよ、広告を見せるだけではなく、

認知から関心へと引き込む手段を提供することが大きなポイントです。 

 

3)Search(情報収集)

購買を前提に、さらに詳細な情報を提供して、購入や成約に向けて

しっかりと動機付けを行うプロセスです。 

 

商品価値が認知されている場合は、最近は「ランディングページ」と

呼ばれるページを設ける会社が多くなりました。

 

誘導してきた閲覧者に、実際に「買わせる」ためのWebページです。

 

商品のメリットを具体的に訴求するだけではなく、

購入後のサポートへの不安など、

買わない理由(動機付けを阻害する要因)を削減することも

重要なポイントになります。

 

一方、商品価値が認知されていないものについては、

このようなネットを使った方法ではなく、

あくまで信用力の構築を基本にして、

直接的なコミュニケーションを通じた情報提供を主力にした方が

良いと思います。 

 

このような場で活用できる情報ツールとしては、

例えばお客様の問題解決のシナリオで作ったデモや実データを使ったテスト、

動画やペーパレス会議を使った提案活動などがあります。

 

いずれも、具体性のある形で情報を提供し、

商品やサービスの効果を明確にイメージさせることや、

大きなインパクトを与えることなどを目的にします。

 

また、その商品やサービスを利用している既存顧客の声が

大きな力になる機会がたくさんありますので、

インタビューなどを行って紹介動画を制作しておくことも有効です。 

 

4)Action(購入)

実際に購入や成約の手続きに必要な場を提供します。 

 

商品価値が認知されている場合は、ランディングページから

申し込み&決裁のページに誘導します。

 

複数種類の決裁手段が使える電子決裁システムを利用するのが良いと

思われます。

 

商品価値が認知されていないものについては、情報システムを用いた決裁は

基本的に意味がありません。

 

あくまで面対でのコミュニケーションを通じて、

契約書や注文書などをアナログに交わすことで、

手続きを進めるのが良いと思います。

 

5)Share(共有)

購入してもらった商品の感想を周囲に広めて共感の輪を作ることができる

手段を用います。 

 

例えば、Facebookなどのソーシャルメディア上に利用者のコミュニティを設け、

そこから発信される情報を周囲へ拡散するなどです。

 

また、Amazonの購入ページの利用者レビューに投稿してもらう方法なども

有効です。

 

利用者からの情報発信は、売り手が行うものと違って客観性がありますから、

受け入れ易いという特徴があります。

 

この共感のプロセスで継続的に付き合うことで、お客様との信頼関係を

より深く、より強くすることに留意することが大切です。

 

以上でご紹介したように、

目的が曖昧なままホームページの検索順位を上げるとか、

集客のためにFacebook を使うなどという

訳のわからない使い方は時間とお金の無駄遣いです。

 

自社の差別化戦略に応じて情報ツールの活用を工夫して、

決して一般論で言われるような詰めの甘い取組みや、

大手企業の真似ごとにならないように、

情報メディアを上手く使い分けてください。

 

さらに、繰り返しお話しして来たように、

リアルで面と向き合うことでしか伝えられないものもあります。

ネット媒体一辺倒ではなく、

目的に応じてリアルとネットを使い分けましょう。 

 

 

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