小さな組織の「情報機動力」戦略!

中小企業の情報機動力を高める最新ITの活用事例などを発信します。

2−4.効果的な通信技術の使い方

このブログ「小さな組織の情報機動力戦略!」は、中小企業の経営者の方々を
対象としています。

 

iPadクラウドなどの最新のIT を、

「本気でビジネスモードで使いたい」と考えている方々に対して、

必ず役に立つ重要な情報を発信します。 

 

今回は通信技術の選び方や使い方についてポイントを解説します。

 

ここでいう通信技術とは、WiFi(ワイファイ)や無線LAN

それからLTEまたは4GLTEと呼ばれる高速通信など、

日常で情報機器をインターネットに接続するための技術のことです。

 

実はインターネットへの接続方法は、

ビジネススタイルや個人のライフスタイルによって、

選択の仕方が大きく変わります。

 

例えば、大企業にいる人が、整備された社内ネットワークを使う場合や、

個人が自宅で趣味で使う場合などは、

今回解説する視点とは選択の基準が全く違うと思います。

 

「万人にとってこれがベスト」というものはないと思いますが、

選び方によっては費用に大きな差が出ることがありますので、

 

ここでは、実際に僕が使った経験からわかったことを中心に解説を

しますので、

業務で選択する際の参考にしてください。 

 

1.WiFi(ワイファイ)接続

 

正確に言うと、無線LANの技術で「WiFiと呼ばれる規格」にもとづいて

運用される通信のインフラです。

 

事務所や、自宅で光回線などを使ったインタ−ネットの工事をした後、

これに無線ルータなどを接続すると、室内に無線LANの電波を飛ばす

ことができます。

 

そして、iPadなどのモバイル機器で、「WiFi」の設定をして接続すると、

無線LANの電波を使って光回線を経由してインターネットにつなぐことが

できます。これが「WiFi 接続」と呼ばれる接続形態です。

 

LTEなどの高速回線と比較すると以下のメリットがあります。

 

1)回線速度が非常に早い

最近のIEEE802.11acという規格では、理論値で1,300Mbpsという

ものすごいスピードで通信ができます。

 

(これまではIEEE802.11nで300Mbpsでした)

 

LTEで最も早いNTTドコモのXi(クロッシー)が150Mbpsですから、

比較すると、いかに早いかがわかります。

 

(もっとも、これは理論値で、実測ではこの4分の1くらいになることが多い)

 

但し、接続する情報機器が、IEEE802.11acやnに対応していなければ

意味はありません。

 

それから、最近は各キャリアのショップから無料のWiFiスポットが設置されて

いますが、

ショップの話によるとLTEが使えない時の代替手段で、

速度的にはLTEほど速くはありませんとのことでした。

 

 

2)パケット通信量の制限がない

LTEや4Gなどの高速回線は、どのキャリアも1ヶ月間に7GB、3日間で

1GBのパケット通信量の制限をしています。

 

(これを超えると128kbpsなどという超スローな通信しかできなくなる)

 

光通信にはこのパケット通信量の制限がありません。

このメリットは非常に大きいので、

セルラーモデルでiPadなどを使っている方々も、事務所や自宅では、

WiFi環境を必ず準備しておくことをお勧めします。 

 

例えば、容量が大きなプログラムのアップデートや、

無線接続を経由したバックアップやシステム環境の復元では必須です。

LTEではパケット通信量の制限を超えたり、処理自体が動かない) 

 

2.LTEや4G LTEなどによるモバイルデータ通信

 

LTE(NTTdocomo)とか4GLTE(auソフトバンク)と呼ばれる高速の電話通信の

規格を使って、各キャリアの基地局と、iPadiPhone などの情報端末を無線で

インターネットにつなぐ仕組みです。

 

iPhoneセルラーモデルのiPadでは、このLTEWiFi 接続の2つの接続方式を

選んで使えるようになっています。

 

LTEによる通信は、WiFi 接続に対してモバイルデータ通信という言い方をします。

 

通信速度は、各キャリアで違っていて、

最も最速なNTT ドコモのXiでは受信時最大150Mbps、auの4GLTEが100Mbps、

ソフトバンクの4GLTEが112.5Mbpsの通信速度です。

 

iPadには、このLTEや4GLTEでインターネットに接続するセルラーモデルと、

WiFi 経由でインターネットに接続するWiFi モデルの2つのタイプがありますが、

 

ここではセルラーモデルを使用する時の注意点として、

各社のLTEや4GLTEを使ってみた経験をお話しします。

 

まず、LTEや4GLTEなどの場合、電波の届き具合や混み具合は、

キャリアのみならず、地域や時間帯によって大きく異なることを

理解しておいてください。

 

カタログ値での速い/遅いなどの比較は全く無意味で、

スピードメーターなどで実測してみるとわかりますが、常に変動しています。

 

これは、電波の強弱以外にも、

使用する電波の帯域が、通信で飛び交うパケットで混雑するため、

その混雑具合で実効スピードが変わるためです。

 

カバー率で表示される電波の届き具合に関しては、LTEや4GLTEの場合は

各社ともにそれほど大きな差を感じることはありませんでした。

 

しかし、帯域の混み具合によるパケット詰まり(パケ詰まり)に対する

対策にはかなりの開きがあるようです。 

 

 パケ詰まりとは、1車線しかない道路に大量の車が入って来ると

渋滞が起きるように、パケットが流れない渋滞が起きる通信障害です。 

 

僕の経験からは、ソフトバンクが最も対策が進んでいて安定しています。

(都市部だけかも知れませんが)


続いてau。こちらも当初問題になったパケ詰まりは、かなり改善が進み、

非常に安定しています。

ドコモのLTE(Xi)は、WiFiモデルのiPadを利用している時に、

WiFi 接続が突然切断されたりして何度か酷い目に遭いました。

現在はドコモは、データ通信は一切やめ、電話機能しか使っていません。 

 

3.テザリング

 

iPhoneの「インターネット共有」機能を使って、iPhoneに高速で通信できる

無線ルータの機能を持たせて、

WiFiモデルのiPadなどを無線接続してインターネットを利用する接続形態です。

 

こうすることで、2年縛りのあるセルラーモデルを使う必要はなくなり、

WiFi モデルのiPadをショップで購入すれば、すぐに使うことができます。

 

加入から2年間は無料で、一度に5台までの情報機器を無線接続することが

できます。

 

それから、弟2世代、弟3世代の3GモデルのiPadをお持ちの方で、

既にパケット契約を解約してしまった方に朗報です。

 

このテザリングを申し込むと、何の追加費用も発生させずに、

休眠中のiPadを利用できるようになりますから、お試しください。

 

尚、デザリングもパケット通信量の制限があるので念のため。 

 

4.ポケットルータでのWiFi 接続

 

ポケットルータと呼ばれる持ち運び式の無線ルータを使って、

インターネット回線に接続する形態です。

 

キャリア各社、E-モバイル、日本通信(SIMフリー)など、様々な会社から

提供されています。

 

電話回線を使いますので、2年間のパケット利用契約=2年縛りがあります。

 

テザリングと形態的には良く似ていますが、以下の点でテザリングより

使い易い製品があります(全てではない)

 

1)1度に最大10台程度の情報機器をインターネットにつなげられる

2)繋ぎっぱなしの状態で使える(テザリングは使うたびに接続操作が必要)

 

僕も今年の2月まで、NTT ドコモのL-03Eというポケットルータを使って

いました。

125Mbpsまで対応でき、バッテリー持続時間15時間という頼もしいルータでした。

 

しかし、どういう訳か、昨年の9月頃から、

トラブル(パケ詰まりで接続が突然切れる)が頻発するようになりました。

 

当初は、故障やファームウェアのバグかと思いましたが、トラブルの発生が

ドコモがiPhoneの提供を始めた時期と重なっているので、

 

どうやらiPhoneの契約で、一気にXiの利用者が増えたことによる

帯域への輻輳対策ができていないことが原因だとにらんでいます。

 

このような事情から、仕事で、特にお客様を相手にする業務では、とても

利用できないと判断せざるを得なくなりました。

Xiの現在の状況はどうかわかりませんが、まだ、個人利用に止めた方が無難かも

知れません。

 

この状況は、Xiの問題だとすれば、日本無線などのSIMフリーのルータでも

起こる可能性があります。(ドコモのXIを使っているので)

 

5.仕事で安定的につかう工夫

 

個人利用の場合は、費用の大小や、2年縛りのあるなしなどの要素が

重要な判断基準になりますが、

 

仕事で使う以上、どんな地域でも「安定的に通信できる」ことが最も重要です。

 

千載一遇のチャンスをつかめないような信頼性に乏しいものを、

仕事に利用すべきではないと思います。 

 

そういう意味で、どのキャリアを選択するかや、どんな接続形態を選択するかは、

ベンダーの知名度や大きさなどに惑わされずに、

 

自分が仕事で使う地域でのつながり易さや、信頼性などを使っている人に聞いて、

総合的に判断するようにしてください。 

 

ちなみに、僕は、いろいろ試行錯誤した結果、以下のような方法を取っています。

 

1)事務所ではWIFI接続(1,300Mbps)で、光回線でインターネットに接続

 

2)IPadは1台が、ソフトバンクセルラーモデルでモバイルデータ通信です。

2台がWiFiモデルでiPhoneテザリング経由でインターネット接続です。

(いずれも外出時。事務所内では光回線経由でWiFi接続)

 

3)iPhoneauと契約と、サブ的にNTTドコモiPhone を使用

(ドコモは山間部地域などで使用)

 

結果的に、3社のマルチキャリア化で通信の安定化を図っています。

(一般の方はここまでする必要はないと思います)

 

尚、ネットワークへの接続形態を検討する際には、宣伝や個人の紹介にも

少し注意が必要です。

 

実際にテストしたり、自分では使ってもいないのに、

Facebookなどの影響力の大きな媒体で製品やサービスを紹介している投稿を

数多く見かけるからです。(個人的には無責任ではないかと思います)

 

いずれにしても、ネットワーク接続はIT利用上は必須なものですから、

個人利用とは違って、自己責任で確かめた上で、

確実に運用できる工夫を施されることをお勧めします。

 

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