小さな組織の「情報機動力」戦略!

中小企業の情報機動力を高める最新ITの活用事例などを発信します。

1−4.最新ITの活用法はシステムで考える

このブログ「小さな組織の情報機動力戦略!」は、中小企業の経営者の方々を

対象としています。

 

経営のスピード化でお客様との信頼関係を作りたい方や、

iPadを購入したものの、個人的な利用の域を出ていなくて、

もっと効果のある活用分野を探したい方々に向けて情報発信をしています。

 

今回は、「最新ITの活用法をシステムで捉えて考える」という話を、

iPadの活用を例にとって解説します。 

 

1.職場ではiPadの活用法が見つからないという意見

 

iPadが日本で販売され始めて、既に3年半が経過しました。でも・・・

 

iPadを購入して、セミナーや勉強会などに参加して、一所懸命勉強して、

少しは使えるようになったのに、

仕事や職場の中では殆ど活用できていないという人がたくさんいます。

 

また、会社が導入したiPadの使い方を、社員の自主的な創意工夫に任せて

いるにも関わらず、

社員からなんの提案も上がってこないと嘆く経営者の方も結構おられます。

 

会社として、どんな仕事に、どんな目標を目指して活用すれば良いのか、

特に決まっていない、決められないということのように思えますが、

それは一体なぜでしょうか?

 

 

2.原因は情報処理スタイルの違いにある?

 

いくつかの原因が考えられますが、僕はiPadとパソコンの情報処理スタイルの違いが、

十分理解されていないことが、最も大きな問題点ではないかと考えています。

 

例えば、MS OfficeやLotusや国産の多くのソフトのように、パソコンでは

1つのアプリで自己完結的に多くの処理をすることができます。

 

一方、iPadのアプリの多くは、単機能的に作られたものが多く、それらは

転送アイコンで情報を別のアプリに送ることで、アプリを相互に連結して、

情報処理を行うように作られています。

 

ビジネスでは、短時間に多くの情報を多彩な方法で取り扱う必要があるために、

アプリも多種類で組み合わせも複雑になります。

 

このようなカルチャーの違いから、

長らくパソコンでの情報処理に慣れた方が、iPadの特徴を活かす使い方を

習得されるのには、少し時間が必要なのかも知れません。

 

3.単体ではなくシステムでの利用を考える!

 

一方、個人利用では、取り扱う情報の種類が少ないことから、アプリの

組み合わせが必要になるケースは少ないと考えられます。

 

だから、個人で利用する技術をいくら強化しても、職場の課題解決には

つながり難いのではないかと推察しています。

 

では、職場での活用を促進する方法はないのか、ということになりますが、

この件について、僕の考えをお話しします。

 

最初に、会社や職場で情報機器を導入する目的を今一度考えて見ましょう。

 

職場の問題や課題を解決し、仕事の生産性や創造性を高めることで、

新しい商品やサービスを創造したり、サービスのコストを下げるなど、

はっきり特定していなくても、感覚的にでも、何らかの意図を持って、

検討をされていると思います。

 

間違っても個人の知的好奇心を満足させたり、福利厚生の目的で導入する

なんてことではないはずです。

 

ではそこで、職場の中を良く思い出してください。今まで使って来たパソコンや、

ドキュメントスキャナーや、利用中のクラウドなど、様々な情報資産がありますよね。

 

iPadをこれらの情報機器と組み合わせて「システムとして活用」することで、

職場の課題解決につながる使い方ができないかを考えてください。

 

この「既存のものと組み合わせる」という発想が重要なカギになります。

 

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4.ある保険代理業X社長の活用例

 

では、事例を使って解説します。

 

X社長は保険代理業で、数百のお客様とお付き合いされている経営者です。

 

保険業は今や総合代理店の時代。

同時に数社の保険会社の商品を取り扱うため、顧客情報や商品情報などが

膨大な量になり、情報を漏洩させない厳重な管理と、お客様の要求に迅速に

応えるという2つの要件を満たさなくてはなりません。

 

そこでX社長の事務所では、紙の資料を全廃し、電子化してクラウドで管理

することによって、この課題に対応することにしました。

 

システム(組合わせ)の概要をお話しすると、

1)ScanSnap(ドキュメントスキャナー)で読み込んだ資料をPDF化

2)Google上にデータベースを構築してパソコンでから保管

3)外出時にはiPadから検索して情報を参照

4)資料に手書きアプリで注釈を入れ、打ち合わせの記録として活用

 

このように、既存のパソコンをベースに、ScanSnapiPadGoogleなどを組合わせ、

いつ、どこにいても、瞬時にお客様の要求に対応して1次応答ができるように

しました。

 

即答がお客様の信頼につながることは言うまでもありません。

 

ついでに言うと、実にしっかりしたセキュリティ対策までを行っています。

 

新たに導入したのはiPadGoogleだけですが、これで仕事の進め方が

全く変わり、ものすごい瞬発力を発揮して顧客対応ができるようになりました。

 

これが「システムで活用する」という使い方の例です。

 

iPad単体や、1個のアプリ単体では、大したことはできないはずです。

活用が進んでいないと悩んでいらっしゃる方は、今、会社にある情報資産を

iPadと組み合わせて、問題解決ができないかを考えて見てください。

 

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